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宮沢賢治著 「銀河鉄道の夜」を読んでみた ~読書感想文~

公開日: : 最終更新日:2017/09/09 読書感想文

 
主人公ジョバンニの物悲しい心情も、幻想的に拡散される。
ジョバンニと言うイタリア名に異国情緒が感じられ「日本的な暗さがない」
また「各シーンでの色遣いは気分を華やかにする」

 

「川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていた白いものは何?」と、
先生は質問する。

 

ジョバンニも親友のカムパネルラも「天の川」と答えられない。

 

答えられず、悲しい気持ちを引きずるジョバンニ。
「お祭りのケンタウル祭で華やいでいる街の雰囲気とは対照的だ」

 

放課後、ジョバンニは活版処(かっぱんじょ)に向かう。
母親は病気で、「父親も漁に出たきり帰ってこない」ので、アルバイトをしなければならない。

 

途中、同級生達が祭で川に流す「烏瓜」(からすうり※)を採りに行く相談をしている。
※ウリ科の植物で、つる性の多年草。朱色の果実と、夜間だけ開く花で知られる。

 

アルバイトではなくお祭りに行きたいのだろう。でも、そんな様子を見せない。
「母を想い、報酬でパンと角砂糖を買う方が大切なのだ」

 

アルバイトから帰ると、牛乳が未配達とわかり、母の為に取りに出かける。
そして「一時間」で我慢しようとするが、母に促され「一時間半」だけお祭りを見にいくことになった


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途中、いじめっ子のザネリたちと出くわし、父のことでからかわれる。

 

不在の父を思い出し、ジョバンニは真っ黒な丘で落ち込んだ。
その時、かけのぼった道が「一すじ白く星あかりに照らし出される」

 

 

「銀河ステーション」-とアナウンスが聞こえる。

 

 

先生の「巨(おお)きな乳の流れ」という「白い銀河」の説明から、
「赤い烏瓜」でお祭りの華やかさ、「真っ黒な丘」で落ち込むジョバンニの心境。

 

そして、「一すじ白く星あかり」に導かれる「銀河ステーション」のアナウンス
色彩の演出でジョバンニの心の内を明るくも暗くもしている

 

「銀河ステーション」で「銀河鉄道」に乗車する。
「お祭りに出かけていたカムパネルラとも合流でき、ジョバンニも嬉しい」
私も嬉しい。

 

「銀河鉄道」は夢の中を走る。

 

夢の中で、いろいろな乗客と出会い「不思議な経験をする」

 

全ての乗客が降りて、ジョバンニとカムパネルラだけになり、
「どこまでもどこまでも一緒に行こう」と友情を確認し合う。

 

しかし、「夢から覚めると悲しい現実が待っていた」
「カムパネルラは川に落ちたザネリを救い、行方不明になった」

 

カムパネルラの父は息子の死を覚悟しつつ、
ジョバンニに「君の父から元気な便りがあった」と伝える。

 

親友の死に、父親の帰還。

 

それは、

 

「銀河鉄道」車中の不思議な経験に似た人生の悲喜そのものだ。

 

胸をいっぱいにして「父の帰還」を母に知らようと、
物語で明るさの象徴となっている「白い牛乳」をもって一目散に帰るシーンがエピローグとなる。

 

物悲しい物語は、異国情緒あふれるイタリア名の設定と鮮やかな色遣い、
特にエピローグを「白の牛乳」で締めくくることで、和らげられる。

 

いや、このような小道具よりも、
ジョバンニ自身の澄み切った優しさが、私を優しい気持ちにさせてくれた。
-了-

 


ジョバンニの、不思議な・・・不思議な夢 「銀河鉄道の夜」


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